電信柱によせて

なつかしい木の電信柱の情景が「やもとなおこ」さんの歌でよみがえります。

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電信柱は道ばたで 何を考える
屋根の向こうに きのうの犬が……

電信柱にのぼる子は どこかさびしい
はるか遠くを なつかしみおりてこない

電信柱に刻まれた ちいさな名前
誰も知らない むかしの子供の名前

電信柱の想い出は 雲の上にながれ
雨の降る日に ひとしずく涙こぼす

電信柱に吹く風と かなしいスズメ
細い電線 ふるわせて恋を告げる

電信柱に火がともる 人は家に帰る
窓のあかりに 影がひとつふたつ

電信柱は道ばたで 何を考える
屋根の向こうから きのうの犬が……


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